日本にも浸透しつつある姿勢調整

三田村氏 姿勢調整という言葉を、特に最近はよく見かけます。施術に関しては法制定されておらず、誰もが施術者を名乗れるのが現状だそうですが、井元院長はどちらで姿勢科学の知識を学ばれたのでしょう。
井元院長  色々と調査をしたうえで、もっとも信頼できるという理由で岡山にある専門学校に通いました。特に、その学校の経営者の方は、学校運営をビジネスとして捉えているのではなく、ご自身も優秀な施術者であるという点も、非常に良かったと思います。さらにその後、オーストラリア公立マードック大学で姿勢調整の学位を取得しました。
現在、姿勢調整に関する法規制が未熟なため、全国に2万人以上いる施術者のなかで、想像以上に知識や実力の差があるのは事実です。本場の海外でも通用する本物の施術者は、全国でおそらく約500人ほどでしょう。幸いにして私は、その頼れる500人のうちの1人の先生に診て頂いたので、無事に健康を取り戻すことができましたが現状の日本の姿勢調整は、玉石混交の業界といえるでしょうね。
三田村氏  姿勢調整の分野については、欧米に比べ遅れている、と?
井元院長  そうですね。海外では医学として認められ、例えばアメリカでは姿勢調整を受けていると重大な生活習慣病になりづらいとの統計が発表されているなど、この施術が人体に最適だという科学的根拠があります。有名なハリウッドスターや世界的なミュージシャン、プロスポーツ選手も愛用するなど、非常に効果が高く身近なもの。最近ではようやく我々の間にも浸透しつつあり、そのうちに日本でも、保険が適用される日はやってくるかもしれません。
三田村氏  一般の方からすると、良い治療院の見分け方を知りたい人も大勢いると思います。その見分けるコツは、なにかありますか。
井元院長  例えば治療院の先生に、「どこで資格を取得されたのですか」と、尋ねてみるといいでしょう。そこで海外の学校や地名が出てくれば、しっかりと本格的に姿勢調整を勉強されていると思って間違いないでしょうね。
あと、「どんな検査をするのですか?」これはいい質問です。その際、「診れば分かります」とか「触れば分かります」などと安易に言われたら、疑ってかかる必要があると思います。一方、画像診断を用いるなど、的確な検査に基づいて施術を行う治療院ならば安心ですね。

健康であり続けるための支援を

三田村氏 姿勢調整は、具体的にどのような症状に効果があるのでしょうか。
井元院長 部位の機能的な部分です。骨が完全に変形していたとしたら、それは外科や整形の先生を紹介しますが、骨格の歪みが関係している腰痛や肩こり、五十肩などには大きな効果が見込めます。例えば坐骨神経痛ならば、骨格が歪んで坐骨神経を圧迫しているから痛むわけで、その痛みを緩和するために注射を打ったとしても、それは対処療法にすぎません。
三田村氏 確かにほかの治療法だと、注射や湿布、電気などでその場の痛みは和らぎますが・・・、根本の解決にはなりませんね。
井元院長 そうです。逆に、痛みを根本から治すのが姿勢調整です。生体力学や関節機能学とも言われていますが、分かりやすく喩えると、襖や障子を開けようとする際、溝に引っかかったりしてうまく開閉できないことがあるじゃないですか。そうなったとき、はみ出てしまった部分を削ったり滑りをよくするために潤滑油を塗ったりするのが、整形外科です。襖をグッとはめ込み、元どおりの位置に戻すのが姿勢調整なのです。
三田村氏 なるほど、歪んで動かなくなっているものを、単純に元の場所に戻してあげるという、至ってシンプルな発想なんですね。でも、この施術の存在を知らない人もまだまだ多いでしょう。
井元院長 そう思います。学校で姿勢調整の存在や有効性を教えるようになれば最もいいと思っているのですが・・・。最近では地域の小中学校からお声がけ頂き、姿勢調整についての講演を行っています。すると地域の学校の先生が、スポーツでの腰痛、膝の痛みのみならず、姿勢の悪さや骨折、ねんざなどで生徒を連れてきてくれるようになりまして。このこと自体は非常に嬉しいのですが、反面、全国的にみると知っている方はまだまだ少ないのが現状です。
三田村氏 その意味では、この地域の生徒さんは幸運ですよ。未だに姿勢調整というと分からないとか、怖いとかいうイメージもあると思いますが、今後も先生が施術や講演を通じて啓蒙活動に勤しむことで、姿勢調整に携わっている人々の励みになるでしょう。
井元院長 ありがとうございます。私は現在、次世代を支える施術者の育成や教育にも注力しています。というのも、日本に住む全ての方に、海外で認められている本物の姿勢調整を提供したいからです。そのためには施術者の絶対数が必要です。1人の先生が1万人を診るとして、確かな知識と技術を持った施術者が1万人いれば、1億人にしっかりと手が届くじゃないですか。そのための基盤づくりの活動をしていきたいと考えているんですよ。
もう1つの私の願いは、このクリニックの地域周辺に住む方々全員が、腰痛や肩こりで悩むことのない健康な体を手に入れること。まずは川崎市内の皆さんが、姿勢調整の力で元気になってほしいと思っています。
三田村氏 先生が運営するクリニックが流行っているという理由が、よく分かります。
井元院長 結局、整体やマッサージ、姿勢調整など、色々な治療院が多すぎて、どこで診療を受けていいのか分からない人も多いと思います。そんなときは数件の治療院で話を聞くのがいいでしょう。まずはその数件のうちの1つとして、当院を考えて頂ければと思います。
実際に施術を受けるには、勇気が要るもの。ですから、勇気を持って当治療院を選んでくださった人とは、一生のお付き合いをさせて頂きたいと考えています。痛みを取り除いて終わりではありません。むしろ治ってからが、本当の始まりだと思っています。再発防止のため、どのように生活するのがベストなのかを、アドバイスさせて頂きます。ですから、痛みを治すというよりも、治ったあとに健康で居続けられるための応援をしたいですね。それが一貫してある、私のスタンスなのです。